Tuesday, 1 December 2015

イヴの話

NZでイヴの話を知らない世代が増えるのも当然です。

小さなイヴがHIV/エイズとの闘いに負けて20年以上経つのですから。

それでもエイズの話題がニュースに上り、人々が喧々諤々するたびに引っ張り出されるのは、イヴの笑顔と彼女を支えた多くの人たちの話です。数年前、イヴと同じようにHIVウイルスとわかった子供が保育園から退くよう言われて議論が再燃しました。エイズの理解においては先進国と思ったNZですが、移民のHIV検査などもあり実際は医療を超えた社会的にとても難しい問題なのです。

イヴはオーストラリアで生まれましたが未熟児だったために一般の献血を輸血されました。今と違って血液スクリーニングのない時代です。輸血のおかげでイヴは命拾いしましたが、結果HIVウイルス保持となり後にエイズを患います。

通っていた保育園から拒絶され、嫌がらせや差別を受け、家族4人地域社会から締め出されると、お母さんのグロリアは一家まとめて母国NZに戻りますが、故郷の小さな町で待ち構えていたのは、街ぐるみのサポート隊でした。

一家の暮らす家を探し、お父さんの仕事を探し、娘二人を地元の学校に入れて普通の生活を提供しました。噂が広がりNZ中の知るところとなりましたが、文字通り国中が一家を見守りました。余命限られたイヴをディズニ-ランドに連れて行ったり、彼女の夢を叶えてあげた人も何人か現れました。たくさんの足長おじさんと足長おばさんに出会い、とびきりの笑顔を残して彼女は短い一生を終えました。

超有名ハリウッド俳優の長年にわたる超無責任な行動が最近公表されました。幼いイヴが、生前のみならずその死後まで、いくら社会の偏見と無知を解いて理解を広めようとしても、大の大人がこれでは前途多難なのもしょうがないかもしれません。

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